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レーザ関連製品の専門商社 株式会社プロフィテット

第八回メールマガジン

第八回メールマガジン(2020年7月20日発行)

●●●目次●●●

1. ご挨拶

2. 熱レンズ効果抑制

3. ピックアップ(ブルーレーザ)

5. 編集後記

 

 

1. ご挨拶

7月8日に開催しましたウォータージェットレーザ加工のオンラインデモにはたくさんの方にご参加いただきありがとうございました。かなり特殊なレーザ加工ですのであまり人が集まらないのではないかと心配していましたが、最終的には第一回のコヒーレントビームコンバイニングレーザオンラインデモと同じくらいの参加者となりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

次のオンラインデモについては現在企画中ですので、また近日中にアナウンスできるのではないかと考えております。

いつも読んでいただいている皆様、ありがとうございます

 

2. 熱レンズ効果抑制

今回の熱レンズ効果抑制です。

熱レンズ効果とは光学部品が温められることにより起こる現象で、集光位置のシフト、ビームプロファeイルの変化といった不具合の原因となってしまいます。
営業先でお客様と熱レンズ効果の話をすると、ほとんどの方は

 

「熱レンズ効果」 = 「焦点位置のシフト」

 

といったご認識をお持ちですが、実はプロファイルが変わるという不具合もあります。

焦点位置のシフトは熱レンズ効果によって起こる現象の一つです。

 

▼熱レンズ効果の原因
熱レンズ効果は光学部品がレーザ等で温められることで起きると前述しましたが、実際は光学部品上に出来上がる温度分布が原因となります。

熱レンズ効果の原因

レーザは様々なビームプロファイルがありますが、ここではガウシアン、トップハットの2つのプロファイルで考えましょう。ガウシアンプロファイルのレーザが光学部品を通過したときに光学部品上にはガウシアン分布の温度分布が出来上がります。トップハットの場合も同様で真ん中が高くビームの端の部分の温度が低い分布が出来上がります。この分布が問題です。
光学部品は温度により屈折率が変わってしまいます。温度の分布があるということは屈折率にも分布が発生してしまうということです。
もう一つ、熱膨張も問題です。熱膨張は温度により物質が膨張する現象ですが、温度に分布があると、膨張の仕方にも分布ができてしまいます。
この2つの要因により熱レンズ効果が起きてしまいます。

 

▼温度依存屈折率変化(dn/dT)
高出力レーザに使用する光学部品として用いられる合成石英という材料はdn/dTが8.8×10^-6と非常に大きな材料です。
光学ガラス(BK7)は1.5×10^-6ですので、約5倍も大きいです。

 

▼熱膨張(CTE)
合成石英は熱膨張が小さく、0.5×10^-6です。
BK7が7.1×10^-6ですので、だいぶ小さいですね。
合成石英の場合、屈折率変化が熱レンズ効果の要因として支配的であることがわかるかと思います。

 

▼フォーカスシフトとプロファイル変化
光学部品の屈折率が変わるということは、当たり前ですが、屈折角も変わります。
合成石英の場合、dn/dTが正ですので、熱レンズ効果が起きると、屈折率は高くなり、焦点の位置はレンズよりにシフトします。
ここで、光学部品上の屈折率は一様に高くならず、分布を持つということがミソです。
分布を持つということは入射する光学部品の各光線が異なる屈折角を持つということです。

熱起因収差

これにより、フィールドマッピングタイプの光学部品と同じような効果が生まれます。(フィールドマッピングタイプの説明は過去のメルマガをご参照ください)
よって、意図せずプロファイルも変化してしまいます。

 

▼熱レンズ効果を抑制するためには?
3つの方法が考えられます。
1つ目はそもそも吸収の少ない光学部品を使うことです。
弊社で取り扱っている超低吸収光学部品は超高品質の石英を特殊な方法で加工したものです。
次はdn/dTに起因する熱レンズ効果をCTEに起因する熱レンズ効果でキャンセルするという方法です。
この方法を採用した保護ガラスが弊社取り扱いの熱レンズ効果抑制保護ガラスです。
もう1つは光学部品上に熱分布ができないようにするということです。
熱分布を作らないようにするためには熱伝導率の高い光学部品をつかう必要があります。
これはダイヤモンドやサファイヤが良いですが、ダイヤモンドは高く加工が難しいので、サファイヤが良いとされています。
サファイヤも研磨が難しいですが、弊社では超高精度にサファイヤ加工ができるサプライヤがございますので、そういったご提案も可能となります。

いかがでしたでしょうか?熱レンズ効果でお困りの皆様、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

3. ピックアップ(ブルーレーザ)



今回のピックアップはブルーレーザです。

銅やアルミなどはファイバレーザの基本波である1um帯の吸収が低く加工が難しいです。
このような背景から、最近ではブルーレーザが注目を集めつつあります。
またレーザ照明のようなアプリケーションでもブルーレーザが活躍できる場があるかと思います。
弊社では超低価格なファイバ出力ブルーレーザを取り扱っています。
銅やアルミの溶接には不十分な出力ですが、はんだ付けやレーザ照明などでは非常に有効なレーザ発振器です。

 

弊社取り扱いのブルーレーザはこちら

 

4. 編集後記

4月に始めたこのメールマガジンも今回で8回目となりました。当初の予定で10回目まで頑張ろうと決めていましたが、なんとかゴールが見えてまいりました。
最近はネタ切れ感がひどく、休憩中や、トイレ中、お風呂の時間はほぼメルマガのことを考える日々です。いつも土日にメルマガを作成するのですが、最近の土日は終日息子の少年野球に参加のため、作成は晩酌後に。昨晩は流石に疲労のため熱レンズ効果の文章を書きながら寝落ちしてました。
暑い日が続きますが、夏バテなどしないよう、適度な運動、十分な栄養補給と睡眠を心がけて乗り切りましょう。
今回もお読みいただきありがとうございました。
 

 

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