
光ファイバーストリッパーは、光ファイバー上のコーティングを光ファイバーに傷をつけることなく除去する装置です。
光ファイバーの融着時、光ファイバーの端面処理時などに活躍します。
当社では、マニュアル光ファイバーストリッパー、全自動サーマル光ファイバーストリッパー、ポータブル光ファイバーストリッパーの3機種を取り揃えております。様々な光ファイバのストリッピングにご利用いただけます。
光ファイバーは、一般的に光の通り道であるコアとコアに光を閉じ込めるための役割をするクラッドから構成されます。
コアとクラッドではコアのほうが屈折率が高くなっており、その境界面への光の入射角度により光は全反射します。光ファイバーはこの現象を利用してコアの中に光を閉じ込めています。
一般的な光ファイバは石英で作られています。石英は外力により損傷するリスクがあるため、アクリルのコーティングを施しているのが一般的です。
光ファイバどうしを接続(融着=溶融させてくっつける)する際などには、このアクリルのコーティングが邪魔になります。光ファイバーストリッパーはそのような作業の際に石英の上にコートされたアクリル層を除去する装置です。
もっとも一般的な光ファイバーストリッパーです。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 光ファイバー材質 | 石英 |
| ファイバークラッド径 | 60um~1.2mm |
| コーティング径 | 60um~1.5mm |
| ストリップ長 | 1~35mm(中間被覆除去は4~31mm) |
| ブレード寿命(典型値) | 350×4回 |
| ストリップにかかる時間 |
コート除去アクション回数4回の場合:18秒 コート除去アクション回数8回の場合:35秒 コート除去アクション回数16回の場合:60秒 |
| 寸法 | 238×215×193mm(長×幅×高) |
| 重量 | 6.1kg |
| 電源 |
AC100-240V, 50または60Hz リチウムイオンバッテリー(10.8V, 20,400mAh) |
| 使用環境 |
温度: 0~40℃ 湿度: <95% 結露無きこと 標高: <5000m |
| 保存環境 |
温度: -20~60℃ 湿度: <95% 結露無きこと |
全自動サーマルストリッパーは、コーティングを熱することでストリップを効率化し、光ファイバーに傷をつけることなく除去する装置です。
ステッピングモータにより自動で光ファイバーのコーティングをストリップします。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 光ファイバー材質 | 石英 |
| ファイバークラッド径 | 60~900um |
| コーティング径 | 100um~1.0mm |
| ストリップ長 |
~35mm(シングルストリップ) ~70mm(セカンドストリップ) |
| 温度範囲 | 60~2000℃ |
| 寸法 | 188×86×98mm(長×幅×高) |
| 重量 | 2kg |
| 電源 | リチウムイオンバッテリー(12.6V, 6,800mAh) |
| 使用環境 |
温度: -15~50℃ 湿度: <85% 結露無きこと |
ポータブル光ファイバ融着機はアーク放電により、2本の光ファイバを溶融させて結合します。
バッテリー仕様のため、持ち運びができ、現場での作業を行うことができます。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| クラッド径 | 125~250um |
| コーティング径 | 250~400um |
| クリーブ長 | 5~9mm |
| 融着ロス(典型値) |
0.03dB (SMF) 0.05dB(NZDSF/LDF) |
| 融着時間(典型値) |
15秒 (SMF) 25秒 (NZDSF/LDF) |
| 反射減衰量 | >60dB |
| 電極寿命 | 2,500アーク放電(典型値) |
| 引張試験 | 1.96~2.45N |
| 画像拡大率 | 50~300x (可変) |
| 最大融着プログラム数 | 300 |
| 最大融着データ保存数 | 10,000 |
| 寸法 | 240×180×163mm(長×幅×高) |
| 重量 | 1.9kg |
| 電源 | AC 100-240V |
| 使用条件 | 0~40℃、<95% 結露無きこと |
| 保存条件 | -40~80℃、<95% 結露無きこと |
光通信やファイバーレーザのアプリケーションではFBG(ファイバーブラッググレーティング)と呼ばれるデバイスが使われます。FBGは光ファイバ内に屈折率の異なるエリアを作ることで特定の波長だけを反射させるといった機能を有するデバイスです。
FBGを製造する際には光ファイバの被覆を中間で除去する必要があります。
一般的なマニュアルストリップツールではこのような中間被覆除去ができません。除去したエッジ部分にアクリルが残ってしまい、その上にリコートしてしまうことで光ファイバにダメージが入ってしまうなどの問題があります。そのため、FBG製作工程では、光ファイバ上からアクリル層をきれいに除去する必要があります。